「ネズミを駆除したいけど、どの毒餌を選んだらいいか分からない」
「毒餌を使う際の注意点は?」
初めてネズミを駆除する時、どんな毒餌を使うか迷ってしまう人は多いでしょう。毒餌には毒の種類や設置方法によって違いがあるので、どのように駆除したいかで選び方も変わります。
そこで、今回は毒餌の選び方と注意点を紹介します。毒餌が効かないスーパーラットについても解説するので、ぜひ最後までお読みください。
毒餌の選び方
ネズミの毒餌には、さまざまな種類があります。
●粉末タイプと固形タイプ
●投げ込みタイプと設置タイプ
●急性毒と蓄積毒
それぞれ、どのような違いがあるのでしょうか。
形状の違い
ネズミの毒餌には、粉末タイプと固形タイプがあります。
粉末タイプ
粉末タイプの使い方は2つあります。ホウ酸団子のように餌に練り込むか、ネズミの好物である食料に振りかけるかです。
粉末をそのまま置いてもネズミは食べないので別途餌を用意する必要こそありますが、量の調整がしやすく自作の餌にも混ぜやすい殺鼠剤です。既にかじられた食料に振りかけて使えるので、ネズミの食いつきがある程度保証されているのもメリットです。
粉末なので散らばってしまう、吸い込みやすいなどのデメリットもあります。
固形タイプ
固形タイプは、餌に混ぜ込んだり食料に振りかけたりする手間がかからない毒餌です。購入したらそのまま設置するだけなので取り扱いやすく、吸引のリスクがありません。殺鼠剤と別に餌を用意する手間も不要です。
しかし、ネズミが味や臭いを気に入らずに食べてくれない場合もあります。設置した毒餌を全て回収して新しく買い直さなくてはいけません。
扱いやすさと手間を重視するならば、固形タイプをおすすめします。
設置方法の違い
ネズミの毒餌には、設置方法が違う「投げ込みタイプ」と「トレータイプ」があります。
投げ込みタイプ
投げ込みタイプの毒餌は目的の場所に投げて設置するので、天井裏などでの使用に適しています。
手軽に駆除したい、ネズミに遭遇したくない、屋根裏や床下に入るのに抵抗がある
という方は投げ込みタイプの毒餌がおすすめです。
ただし、袋に入っているのでネズミの好物を混ぜられない、狙い通りの場所に設置しにくい等のデメリットもあります。
トレータイプ
トレータイプは餌をトレーの上に載せて設置します。狙い通りの場所に設置ができ、投げ込み式に比べて高い効果を期待できます。
生活スペースにネズミが出没する、屋根裏や床下に抵抗感がない、
ネズミの好物を混ぜ効果をより高めたい
という方にはトレータイプがおすすめです。
トレータイプの毒餌は袋に入っていないので、子どもやペットによる誤食の危険性があります。生活スペースにトレータイプの毒餌を仕掛ける時は、万が一を考えて蓄積毒タイプを使うとよいでしょう。
毒性の違い
ネズミの毒餌には、即効性のある「急性毒タイプ」とじわじわと効果を発揮する「蓄積毒タイプ」があります。
急性毒タイプ
急性毒タイプの毒餌は主にリン化亜鉛という毒素が使われており、リン化亜鉛が胃酸と化学反応を起こすと胃の中でリン化水素ガスが発生します。このガスが中枢神経に作用し、ネズミは急死するのです。
急性毒タイプはネズミが大繁殖していたり、とにかく早く駆除したい場合におすすめです。しかし、ネズミに警戒されるため継続的な使用は難しいという特徴があります。蓄積毒に比べて食いつきが悪いので、ネズミに毒餌を食べさせるための工夫が必要です。
蓄積毒タイプ
1週間ほどの時間をかけて、ネズミをじわじわと殺すのが蓄積毒タイプの餌です。毒素がネズミの体内に入るとビタミンKの働きを妨害し、血液を固まりにくくします。すると、ネズミは内出血を起こして死ぬのです。
蓄積毒は食べてもすぐ死なないのでネズミに警戒されにくく、誤食しても悪影響は小さいのでペットや子どもがいる家庭でも使えます。1度の食事で死なないため、ネズミに警戒されず長期間使えるのもメリットです。
使用上の注意点
ネズミの毒餌を使用する場合、どのような点に気を付けるべきなのでしょうか。
正しく設置する
毒餌の設置におすすめの場所は、台所や冷蔵庫の裏といったネズミの餌場です。
ネズミは餌を貯める習性があるので、すぐに効果が出なくても毒餌を動かさないようにしましょう。被害にあった食品に殺鼠剤を振りかけたり、毒餌に食用油を垂らしたりするとネズミをより引きつけられます。
他の餌を隠す
食品や生ゴミなどを放置していると、ネズミが毒餌を食べる確率が下がります。食品はすぐ冷蔵庫や密封可能な容器に収納しましょう。生ゴミも蓋付きのゴミ箱で保管し、周辺を清潔にしておくとネズミの餌を減らせます。
ネズミはゴキブリも食べるので、害虫対策をしておくとより効果的です。
蓄積毒の効かない「スーパーラット」とは?
スーパーラットとは、ワルファリンへの耐性を持ったクマネズミです。
スーパーラットは体内の酵素で毒素を分解してしまうので、蓄積毒タイプの餌では駆除できません。即効性の毒かジフェチアロールを含む毒餌で駆除しましょう。ジフェチアロールはワルファリンより効果が高く、少ない回数と量で駆除ができます。
まとめ
被害状況によって毒餌を使い分けると同時に、設置場所や家の片付けなど工夫をしましょう。
ネズミは小さな動物ですが増殖が速いので、放っておくと深刻な被害を受けてしまうかもしれません。人間に感染する菌やウイルスを持っている可能性もあるので、1匹でも見つけたら速やかな駆除をおすすめします。