「アライグマの生態と対策のコツ」
アライグマは、もともとアメリカやメキシコやカナダに多く生息していました。そんなアライグマは、なぜ日本でも多く生息するようになったのでしょうか。
アライグマは気性が荒く、繁殖能力が非常に高い動物です。また、雑食で何でも食べ、環境の変化にも適応することができます。そのため、主に農作物の食害被害が多く出ており、農家の方々にとっては厄介な害獣でもあります。
今回はそんなアライグマの生態や、食害などといった被害を抑えるための対策についてご紹介していきます。
【アライグマの危険性】
アライグマは、とあるアニメで一時期有名になったものです。そのアニメ内では、生まれたばかりのアライグマに名前を付けて飼っていました。しかし、実際はペットとして飼えるような大人しい性格ではありません。アライグマは非常に凶暴な性格をしています。鋭い牙を持っており、噛まれたら致命的なケガを負ってしまいます。
また、狂犬病などの恐ろしい病気も媒介する動物です。狂犬病は人間にもうつる危険な病気です。そのような病気を媒介するリスクもあるので、アライグマを見つけても絶対に近づかないでください。
【アライグマの特徴・習性】
アライグマはどのような特徴や習性があるのでしょうか。
①見た目・体長
アライグマの体長は70〜90cmほどで、見た目はたぬきに非常によく似ていますが少し違います。見分けるポイントはいくつかありますが、一番わかりやすいのは尻尾です。たぬきは尻尾が体色と同じ茶色がかった色をしており、アライグマは縞模様をしています。
他にも耳のふちが、たぬきは黒色、アライグマは白色です。
アライグマの特徴
体長:70~90cm
尻尾:白と黒の縞模様
耳 :ふちが白色
②生活スタイル
アライグマは夜行性なので、夜になると活発に動き始めます。また、木登りが得意なので高い所への移動もできます。手先が器用なので、木に登ってエサを取ったり自力で鍵を開けて脱走したりすることもあります。
③食性
アライグマは雑食のため、基本的に何でも食べます。その季節にあるものを食べて生活しており、適応能力は非常に高いです。時には人間の食べ物にも手を出し、スナック菓子や甘いものも大好物です。
④性格
アライグマは、見た目からは想像もできないくらい凶暴な性格をしています。運動神経が抜群で、爪や牙も頑丈です。噛む力も非常に強く、固いものでも噛み砕こうとします。自分の体の何倍もの大きさがある私たち人間に対しても、身の危険を感じれば襲い掛かってきます。絶対に近づいてはいけません。
⑤繁殖能力が高い
アライグマは繁殖能力が非常に高い動物です。生後2年でほぼ全ての個体が繁殖可能になり、1年に1回平均3〜5頭の子供を生みます。
アライグマの寿命は平均で5年ほどで、国内には天敵となる動物が居ません。そのため、ほとんどの個体が寿命を全うしながら子孫を残し、繁殖していきます。このように、アライグマは繁殖能力が非常に高い動物です。
【アライグマの被害例】
アライグマは、私たち人間にどのような被害を与えるのでしょうか。
①屋根裏に住みつく
アライグマは私たち人間が住んでいる家の屋根裏に住み着き、騒音や匂いなど多くの被害を招きます。夜行性のアライグマは夜中に活動するため、足音で眠れないという被害例も数多く出ています。
②農作物への被害
こちらも多くの被害が出ている事例です。アライグマが原因の農作物への被害は、年々増えており農家の方々は頭を抱えています。駆除しても駆除してもアライグマの数がなかなか減らないため、被害は拡大傾向にあります。
③生態系のバランスが崩れてきている
アライグマは雑食ですが、他の動物を捕食することが多いです。そのため、日本にもともと住んでいる在来種の動物たちが、アライグマによって捕食されてしまうということが起こっています。その影響で在来種の数はどんどん減っていき、生態系のバランスが崩れてしまうという事態が起こっているのです。
【対策のコツ】
アライグマを駆除する場合、特定外来生物に認定されているため、むやみに殺処分などすると「鳥獣保護法」によって罰せられてしまいます。100万円以下の罰金や1年以下の懲役など、重い処分を受けることになりますので注意してください。
そんなアライグマですが、対策方法をいくつか紹介していきます。
①嫌いな臭いのするものを置く
アライグマが嫌いなにおいは、ハッカ、唐辛子、シナモン、バルサンなどの煙、オオカミの尿などです。アライグマは嗅覚も発達しているので、刺激性のある臭いに反応して近づいてこなくなります。バルサンは殺虫剤として利用されていますが、アライグマにとっても有効です。また、オオカミは天敵なので、オオカミの臭いがするとアライグマが寄ってこなくなります。
②防獣ネットを張る
守りたいエリアの周りにネットを張ることで、アライグマの侵入を防ぐことができます。気を付けなければいけないのは、下の部分をしっかり埋め込まないと侵入されてしまうので、杭などでしっかりと埋め込みましょう。
③超音波を使う
アライグマは高周波の超音波のような音を嫌います。専用の危機を設置しておけば、周囲にアライグマを寄せ付けないことができます。しかし、アライグマも慣れてきてしまうというデメリットもありますので注意が必要です。
④青色のLEDライト
夜行性のアライグマは光を嫌いますが、特に青色の光を嫌います。電気代と虫が寄ってきてはしまいますが、高い効果が期待されます。
⑤業者へ相談
業者へ相談するのが一番安全な方法と言えるでしょう。自分で捕獲をする際の、自治体への許可も不要になってくるので、面倒な手間がかかりません。また、アライグマは凶暴な性格をしていますから、専門知識と経験豊富な業者へ任せて駆除してもらうのが良いでしょう。
【まとめ】
アライグマは凶暴な性格をしており、身の危険を感じると私たち人間にも襲い掛かってきます。アライグマの住処が身の回りに作られてしまわないように、アライグマが嫌いな臭いのするものや、防獣ネットなどで近付かないように対策をしておく必要があります。間違っても近づいていかないように気を付けてください。今回の記事が少しでも皆さんの参考になれば嬉しいです。