コウモリ

コウモリが一匹いたら何匹いる?繁殖力と習性について解説

風水ではコウモリが家に入ってくるのは幸運の予兆とされ、5匹いれば最上級の幸運に恵まれると言われています。

しかし、コウモリは害獣です。「一匹だけだから」と思って油断していると、思わぬ被害を受けてしまう可能性があります。

ノミやダニ、カビの発生、糞尿による悪臭、病気の媒介など、コウモリがもたらす被害は様々なものがあります。。

本記事では、コウモリの習性と繁殖力について詳しい解説をしていきます。

知っておきたい!コウモリの習性とは

コウモリの身体的特徴と生態

世界各地にコウモリは約1000種が棲息し、日本には30種類が分布しています。そのうち家に住み着くのはアブラコウモリ一種のみです。

そのため、アブラコウモリをイエコウモリとも呼びます。

アブラコウモリはコウモリのイメージに反して洞窟には住まず、吸血もせず、メスとその子どもたちからなる数頭で人間の家に住み着きます。

住宅以外の場所だと、高層ビルの非常口の裏や高架や橋の下、倉庫なども寝ぐらにしています。

家の中でコウモリを見かけた場合はほとんどの確率でアブラコウモリだと言えます。

昨今では地球温暖化やヒートアイランド現象の影響で気温が高くなっているため、コウモリにとって都市部は餌が豊富で過ごしやすい場所となっているようです。

コウモリの最も活発な時間は日没後2時間程度です。

生活は夜行性で、飛べない子どもを巣に残し、日没~日の出までコウモリは餌を探して飛び回ります。

一説によると、アブラコウモリは飛行能力とエコーロケーションを活かして、一晩に300匹もの虫を捕食します。

夕方〜日没の時間帯に空を見上げると、運が良ければ飛んでいる姿を見られるかもしれません。

コウモリが建物にもたらす被害

体長はおよそ4〜6cm、体重5〜10gとアブラコウモリはかなり小さな動物です。

そのため1cm程度の隙間があれば、簡単に家の中に侵入できます。

隙間から侵入したコウモリは天井裏や戸袋の中、瓦の下や倉庫の中といった場所に住み着きます。

そして住宅や人間にさまざまな害をもたらすのです。

・鳴き声や羽音

・害虫の誘引

・糞便の悪臭とシミ

・ダニやカビの発生による健康被害

・ウイルスの媒介

など、コウモリによる被害は重大です。

視点を変えればコウモリは害虫を食べてくれる益獣と言えますが、それ以上の被害をもたらすという点ではやはり害獣です。

「見かけたのは1匹だけだから……」と放置してもメリットはありません。

1匹いたら大増殖しているかも?コウモリの繁殖力とは

コウモリの繁殖スケジュールと着床遅延

コウモリは7~8月にかけて生まれ、その年の秋に成熟して繁殖可能な体になります。

性成熟したコウモリは10月に交尾をし、11月半ばから越冬に臨みます。

越冬の間にコウモリは妊娠しているのかと思いきや、交尾を終えたメスは他の動物のようにすぐ妊娠をしません。

受精卵ができても胚の段階で発育を止め卵管や子宮内で浮遊させておき、時期を見計らって受精卵を着床させるのです。

この妊娠方法を着床遅延と呼びます。かなり特殊な妊娠方法に思えますが、着床遅延には合理的なメリットがあるのです。

・最適なタイミングで妊娠出産が可能

・虫が多い夏に出産することでエサに困らない生活が送れる

・あらかじめ精子を貯蔵してあるので、オスが死んだり駆除されたりしても子孫を残せる

などが、着床遅延のメリットです。

そして越冬が終わり4月末になると、メスは排卵を起こして受精します。

妊娠期間はおよそ70日です。その後、コウモリは夏に2〜3匹の子どもを産みます。

コウモリの子どもたちは2ヶ月程度で成熟し、さらに子どもを産みます。

コウモリが1匹いたらどれくらい増えるのか

夏に生まれたコウモリはその年の秋に性成熟します。

つまり、コウモリは生後約3ヶ月で繁殖可能になり、2、3匹の子どもを産むのです。かなりハイペースでの出産と言えます。

アブラコウモリの寿命はオスで3年、メスで5年ほどです。

最大5回は妊娠出産が可能であり、1匹のメスから多ければ15匹ものコウモリが生まれるといわれています。

コウモリは集団で営巣します。またコウモリには帰巣本能があるため、一度追い払っても巣を作った場所に戻ってきてしまうこともあります。

時にコウモリの集団は50〜200匹にもなるため、1匹いたら最低でも十数匹はいることを覚悟しましょう。

「ゴキブリを1匹でも見かけたら100匹はいる」とは言いますが、コウモリも同じように繁殖しているのです。

まとめ

一匹見つけると、莫大な数のコウモリがいる可能性があります。

野生動物であるコウモリは、鳥獣保護管理法の対象であるので捕獲や殺傷は禁じられています。

コウモリの被害に困っていても、一般人には逃がしてやるか追い出すことしかできません。

もしコウモリを1匹でも見かけたら、その時点で駆除グッズを購入するか、コウモリ駆除の経験が豊富な業者に駆除してもらうのが最善です。

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