駆除Info | 【プロが解説】コウモリの正しい駆除・予防方法 コウモリ

【プロが解説】コウモリの正しい駆除・予防方法

コウモリは夜になると空中を飛び回ったり、人間の家に住みついて糞害や騒音など害を与える動物です。一方、コウモリは人間の血を吸う蚊や街灯に集まる小型の昆虫を食べてくれるため、益獣としても知られています。しかし、糞が原因で病気に感染したり、噛まれると狂犬病に感染したり、危険性の高い動物でもあります。コウモリは益獣としての一面もありますが害獣として扱われることが多く、家に住みつかれると駆除の対象となってしまうのです。

今回は、コウモリについてプロの目線から正しい駆除と予防方法をご紹介していきます。

コウモリの危険性

コウモリは、感染症の原因となる菌をたくさん保有しています。特に、コウモリは1日に排泄を大量にする生き物です。溜まった糞では菌が増殖するので感染症の原因となります。また、噛まれることで命にかかわる恐れもあるため注意が必要です。

具体的にどんな病気にかかるリスクがあるのか、詳しく解説していきます。

コウモリが媒介する病気

コウモリが媒介する病気には

●ヒストプラズマ症

●狂犬病

●アルボウイルス感染

●ニパウイルス感染症

●ハンタウイルス感染症

●エボラ出血熱

などがあります。

ヒストプラズマ症

ヒストプラズマ症は、コウモリの排泄物が原因で感染します。コウモリの排泄は1日に4回以上で、決まった場所でする習性があります。そのため、コウモリの住処となった所には糞が盛土のように溜まってしまうのです。溜まった糞からはカビが生え、胞子となって空気中をフワフワと舞います。その胞子を人間が吸い込むと、「ヒストプラズマ症」と呼ばれる病気に感染し、発熱、頭痛、悪寒、筋肉痛などといった症状が現れます。症状が酷くなると合併症を引き起こすこともあり、呼吸不全などの命に関わる場合もあります。

狂犬病

現在、狂犬病に感染して命を落とす人は世界に5万人以上もいます。そのほとんどが、狂犬病に感染した野生動物から感染しています。感染する原因は狂犬病ウイルスを保有している野生動物から噛まれることです。発熱や頭痛などの症状が出た後に「恐水症」や「恐風症」などといった症状が現れるのが特徴で、恐水症とは「水」を恐れる症状、恐風症はエアコンなどの「風」を恐れる症状のことです。感染すると致死率がほぼ100%であり、非常に恐ろしい病気です。

アルボウイルス感染症

アルボウイルス感染症は、主にダニや蚊などによって感染します。菌を保有したダニや蚊がコウモリを吸血した際に感染し、人間にも接触すると感染が広がっていきます。感染してもほとんどの場合は無症状ですが、脳炎や出血熱などの重篤な症状となる場合もあるので注意が必要です。

ニパウイルス感染症

ニパウイルス感染症は、急性脳症や呼吸器感染症などを引き起こし、高い致死率であることが特徴の感染症です。意識障害や痙攣などといった中枢神経症状が現れることもあり、致死率は2〜7割と非常に高いです。頭痛、発熱、筋肉痛などといった風邪と似た初期症状ですが、重症化すると命に関わることもあります。

ハンタウイルス感染症

ハンタウイルス感染症は、感染しているコウモリの糞や尿が傷口などを経由して体内に入り込むことで感染します。感染すると発熱、頭痛、腹痛、嘔吐などといった症状が現れ、致死率は3〜15%ほどです。

エボラ出血熱

エボラ出血熱に感染すると、発熱、脱力感、筋肉痛、頭痛、嘔吐、発疹等の症状が出ます。肝機能、腎機能の機能が低下し、重症化すると激しい出血が出るのが特徴です。エボラ出血熱が発生している場所は主にアフリカですが、現在でも数年ペースで感染が繰り返されています。致死率は50〜90%と非常に高く、危険な病気です。

プロによる正しいコウモリの駆除と予防方法

コウモリは益獣の一面を持っている半面、感染症を媒介する原因にもなっているので、正しい方法で駆除することが大事です。プロがコウモリをどのように駆除しているのか、その方法について詳しく解説していきたいと思います。

駆除する前に許可を取る

コウモリは「鳥獣保護法」という法律で守られているため、駆除する際には許可が必要です。鳥獣保護法とは、鳥獣を保護する法律で、生態系のバランスが崩れることなどを防ぐ役割を担っています。許可なく勝手に駆除を行うと、法律違反となってしまい1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金が課せられてしまいます。駆除する前には、法律違反となってしまわないように必ず許可を取るようにしましょう。

駆除に最適な時期は春と秋

コウモリを駆除するのに最適な時期は「春」と「秋」です。春と秋はコウモリの子育ての時期と冬眠の時期が関係しています。コウモリは、夏の7〜8月頃に子育てをします。巣の中にはコウモリのひなが複数匹潜んでいる可能性があり、まだ飛べません。そのため、駆除を行っても巣の中に子供のコウモリが残ってしまう可能性があります。また、冬の11〜3月頃はコウモリが冬眠する時期です。駆除しようとしてもなかなか巣の外に出てこないので、冬の時期の11〜3月頃も駆除には向いていません。

一匹残らず追い出す

まずはコウモリを巣から一匹残らず追い出しましょう。追い出す際には忌避剤を使用すると効果的です。コウモリが潜んでいる巣がどこにあるかで、忌避剤の種類を変えると効果的に駆除することができます。忌避剤には主に2種類あり、スプレータイプと燻煙タイプです。狭い空間で使用する場合はスプレータイプ、広い空間で使用する場合は燻煙タイプが有効です。コウモリを追い出す際には様々な道具がありますが、忌避剤が一番効果的に駆除することができます。巣の中に子供のコウモリが居ると、まだ飛べないため中に取り残されてしまう可能性があります。

駆除する時期は春か秋の時期に行うようにしましょう。

侵入口を塞ぐ

一匹残らず巣からコウモリを追い出したら、侵入口をしっかりと塞ぎましょう。コウモリは、追い出されても必ず巣に戻ってこようとします。巣の隙間はしっかりと塞いでおきましょう。金網やシーリング材を使うと再発の可能性を下げることができます。コウモリは1~2cmほどの隙間があれば侵入することができるので、金網は網目の細かい物を選びます。また、シーリング材で壁際の隙間などもしっかりと埋めておくと、コウモリが侵入するスペースを無くすことができるのです。

糞の掃除・除菌

コウモリを追い出し、侵入口をしっかりと塞いだら、最後に掃除と除菌を丁寧に行いましょう。コウモリの糞には、危険な病原菌がたくさん含まれています。排泄されて時間が経った糞は、カビが生えて胞子となり空気中を舞います。吸い込むと肺炎などを引き起こしたり重篤な病気に感染する可能性もあるので注意しながら掃除を行ってください。

まとめ

コウモリは、病気の原因となる病原菌をたくさん保有しています。感染すると死に至る病気も媒介する可能性もあるので非常に危険です。コウモリは、一度巣から追い出しても必ずまた戻ってくる習性があるので、しっかりと侵入口を塞ぐことで再発防止になります。除菌と掃除をしっかりと行えば、コウモリ対策はばっちりなので参考にしてみてください。

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