「害獣駆除に必要な資格と免許って何?」
「無許可で駆除してはいけない害獣を知りたい」
「うっかり害獣を捕獲して罰されたらどうしよう……」
そんなふうに思うことはありませんか?
一部の害獣は法律で保護されており、駆除には資格・免許が必要です。知らずに無資格・無許可で駆除すると罰される可能性があります。
そこで本記事では
- 害獣駆除に必要な資格・免許
- 駆除に許可が必要な害獣と不要な害獣
について分かりやすく解説していきます。
記事を参考にして、合法的に害獣を駆除していきましょう!
害獣駆除に必要な4つの資格・免許
一部害獣は鳥獣保護管理法と外来生物法で保護されており、駆除には資格・免許が必要とされます。
なぜなら、イタチを駆除しすぎたせいでネズミが大量発生してしまうなど、むやみやたらな駆除は生態系を崩してしまうからです。
害獣は人や家屋に害を与えますが、彼らも生態系に組み込まれた野生動物なのです。
害獣駆除に必要な資格や免許は、網猟免許・わな猟免許・第一種猟銃免許・第二狩猟免許の4つです。
網猟免許
網猟免許は狩猟免許のひとつで、網を使った捕獲・狩猟に関する免許です。網猟の手法には投げ網、つき網、はり網、むそう網の4種類があり、主に鳥類の捕獲に使います。
鳥の習性を利用して捕獲する方法なので、捕獲したい鳥についての知識が求められる猟です。
わな猟免許
アライグマ等の捕獲にも使われる箱罠や、複数の動物を捕獲する囲い罠などを使うために必要なのがわな猟免許です。
猟銃と違って道具の所持許可がいらないという手頃さからか、わな猟免許の所持者は増える傾向にあります。
第一種猟銃免許
第一種猟銃免許ではライフルや散弾銃といった装薬銃と、液化ガス・圧縮空気の力で弾を撃つ空気銃を扱います。
鳥類や小動物には散弾銃を、シカやクマといった大型哺乳類にはライフルを使用します。
しかし、ライフルを所持できるようになるのは散弾銃の所持から10年後です。
第二種猟銃免許
第二種猟銃免許は第一種猟銃免許とは違って装薬銃を扱えず、空気銃のみの使用が許可されています。そのため、大型動物の駆除はできませんが手続きが比較的簡単で、必要経費が安く抑えられるのがメリットです。
知識試験、適性試験、技能試験に合格すると、狩猟免許が獲得できます。しかし、資格によっては一定以上の視力や聴力といった制限もあり、誰でも簡単に取得できるとはいえません。
更に第一種猟銃免許の場合は銃を取り扱うため警察による身辺調査と、猟銃の所持許可を取得する必要もあります。
駆除に許可が必要な害獣と不要な害獣
害獣駆除に必要なのは、資格と免許だけではありません。多くの害獣は鳥獣保護管理法か外来生物法によって守られており、無許可での駆除を行った場合罰則が課せられます。
無許可で駆除できない害獣とできる害獣がいるため、注意が必要です。
無許可で駆除できない害獣
無許可で駆除できない害獣には、アライグマ・ハクビシン・イタチなどがあげられます。
アライグマ
民家の屋根裏や天井裏に巣を作り、ゴミを漁るアライグマ。1970年代にペット目的で輸入された個体が捨てられたり脱走したりして野生化し、今では日本全国に生息しています。
アライグマは気性が荒く、人やペットが噛まれたり引っかかれたりという被害が発生しているので要注意です。
ハクビシン
ハクビシンは電線や木の枝を渡って屋根裏に侵入しては繁殖し、畑の野菜や果物を食い荒らす害獣です。夜行性の動物なので昼間は巣の中で眠り、夜になると餌を探し始めます。
ハクビシンは鳥獣保護管理法の対象動物であり、農作物を荒らされたり家に住み付かれた場合のみ、手続きの上での駆除が可能となります。
イタチ
細長い体を持つイタチは、わずか3cmの隙間を侵入経路として屋根裏に住み着くことがあります。イタチは肛門腺から強烈な悪臭を分泌するので、糞害の深刻さはずば抜けています。
日本の侵略的外来種ワースト100にも指定されている害獣です。
無許可で駆除可能な害獣
環境衛生の維持に重大な支障をきたすドブネズミ、ハツカネズミ、クマネズミは無許可無免許での駆除が許されています。しかし、この3種以外のネズミは鳥獣保護管理法の対象なので、無許可での駆除はできません。
また、害獣と同様の被害をもたらす野良犬や野良猫は、鳥獣保護管理法と外来生物法の対象外です。ただし、犬猫や家畜のほか、人が所有している動物は動物愛護法によって愛護動物と定められており、正当な理由なく傷付けることは禁じられています。
基本的にネズミ以外の害獣は駆除・捕獲ができないと覚えておくとよいでしょう。
まとめ
害獣駆除には資格・免許・許可が必要な場合があります。
狩猟免許の取得には様々な制限があり、時間もお金もかかります。害獣を発見してから資格を取得したのでは、実際に駆除できるようになるまで時間がかかりすぎてしまいますし、資格があるだけでは完全な駆除や再発防止はできません。
どうしても自分の手で駆除したいのでなければ、資格・免許取得にかかるお金と時間を使って、害獣駆除業者へ依頼した方が効率的かもしれません。
参考資料
環境省 野生鳥獣の保護及び管理 狩猟制度の概要
日本の外来種対策 特定外来生物等一覧