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ハクビシンから病気がうつる?病原菌と感染リスクについて

ハクビシンは、人間に攻撃したり直接的な害を与えることはほとんどありません。ですが、病原菌やダニやノミなどを多く保有しており、人間やペットに病気をうつす原因になっています。

今回は、ハクビシンから病気がなぜうつるのか、病原菌と感染リスクについて紹介していきます。

どうやってハクビシンから病気がうつる?

ハクビシンから病気がうつる原因は、ハクビシンの「行動」や「習性」にあります。ハクビシンは非常に行動範囲が広い動物で、5km先まで一晩で移動するほどです。水辺の近くや木々の間などさまざまな場所を通るハクビシンには、その道中でたくさんの病原菌やノミやダニを体に付着させます。

また、ハクビシンは人家の屋根裏に住み着き、同じ場所で糞や尿をするという習性があります。その糞尿は病原菌の温床となり、不衛生です。そのような「行動」と「習性」から病原菌やノミやダニを家の中へと持ち込んでしまい、人間にも病気がうつってしまうのです。

ハクビシンからうつる病気

ハクビシンからうつる病気は、どのようなものがあるのでしょうか。

SARS

SARSは重症急性呼吸器症候群といい、感染すると発熱、呼吸困難、下痢、筋肉痛などの症状が現れます。症状はインフルエンザに似ていますが、症状が酷くなり肺炎を発症した後に急性呼吸窮迫症候群に陥って死亡するリスクもあります。

SARSはSARSコロナウイルス(SARS-CoV)という病原体が原因で発症します。2019年頃から感染が爆発的に増えた「コロナウイルス」と名前が似ていますが、それとは異なります。

疥癬症

疥癬症とは、ヒゼンダニと呼ばれるダニが寄生することによって発症する病気です。感染すると、痒み、皮膚の炎症、角質の増殖などが起こります。疥癬症の原因であるヒゼンダニは、肉眼では見えず、人間の細胞の角質に潜り込んで卵を産みつけます。乾燥と高温に弱いため、50℃以上の環境だと10分生存することができません。

疥癬症には2種類あり、通常疥癬と角化型疥癬があります。通常疥癬は感染力が弱く、感染すると激しいかゆみと、皮膚が腫れたり炎症が起こるのが特徴です。角化型疥癬は感染力が強く、感染すると角質が増殖するのが特徴になります。

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)

SFTSとは、重症性血小板減少症候群と呼ばれ、SFTSウイルスを保有しているマダニに刺されると感染します。感染すると、発熱、吐き気、腹痛、筋肉痛、リンパ腫の腫れ、意識障害などの症状が現れます。体内の血液中から白血球や赤血球が少なくなることで、さまざまな症状が出る病気です。最悪の場合、多臓器不全となり死亡する場合もあります。

レプトスピラ症

レプトスピラという病原体が原因で感染する病気です。感染すると、発熱、悪寒、頭痛、筋肉の痛み、皮膚の発疹などの症状が現れます。重症の場合は、黄疸、出血、腎障害、ARDS(急性呼吸窮迫症候群)などの症状が現れ、最悪の場合早期に処置を施さなければ全身の臓器に障害が起こり死に至ります。レプトスピラに感染した動物の糞尿から感染します。

トキソプラズマ症

トキソプラズマという寄生虫によって感染します。トキソプラズマが潜んでいるハクビシンの糞に触れると感染します。トキソプラズマ症は健康な人が感染すると、ほとんどの場合が無症状で済みます。しかし、免疫力が低下している人が感染すると、意識障害や痙攣や神経麻痺などを引き起こし、最悪の場合は命を落とすため危険です。

E型肝炎

E型肝炎ウイルス(HEV)が原因で感染する急性肝炎です。ウイルスを含んでいる糞を介して感染し、急な発熱、全身のだるさ、食欲不振、嘔吐などの症状が現れます。その数日後には肌や目の一部が黄色くなる黄疸の症状が出ます。

E型肝炎は、潜伏期間が平均6週間と長いのも特徴です。ほとんどの場合は特別な治療をせずに回復しますが、稀に劇症肝炎など重症化する場合もあります。

喘息

喘息は、気管支に炎症が起こるアレルギー疾患です。咳、喘鳴(ぜんめい)、たん、息苦しさなどといった症状が見られます。ハクビシンには、多くのダニやノミが付着しているため喘息の原因となります。空気中に舞ったハクビシンの糞の粉塵や、ダニやノミの死骸を吸い込むと発症しやすいので注意が必要です。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、痒みや湿疹が発生する病気です。主にダニやノミが原因で発症し、皮膚が炎症を起こして赤く腫れます。空気中を舞ったハクビシンの糞の粉塵なども主な原因です。アトピー性皮膚炎にかかった人は外部からの刺激に弱いため、日頃からケアを丁寧に行い肌を清潔に保ちながら守る必要があります。

まとめ

ハクビシンは、病原菌やダニやノミをたくさん保有しているので、人間やペットに病気をうつす可能性があります。重症化すると命に関わる病気もあり、非常に危険ですので注意しましょう。天井裏や建物内にハクビシンが住みついていると分かっても、無理に自分で駆除しようとせずに業者に頼んで安全に駆除を行うことが大切です。

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