アライグマは他の動物と違い、一箇所の決まった場所で糞をする「ため糞」という習性があります。アライグマの住処になった場所では、ため糞による影響で天井が腐ってしまい抜け落ちてしまうこともあるほどです。他にも、一箇所で大量の糞をすることで糞が蓄積し、有害な菌の温床となってしまうこともあります。繁殖した菌は、空気中をフワフワと舞い人間が吸い込むと肺炎や感染症などの原因にもなってしまいます。
このように、アライグマの糞にはたくさんの菌が含まれているので本記事では糞の特徴について詳しく解説していきます。また、糞を清掃する際のポイントについても解説していきますので参考にしてみてください。
アライグマの糞の特徴
アライグマの糞には、以下のような特徴があります。
●直径2~3cm、長さ5~15cm
●目立つ場所で糞をする(庭やベランダ)
●種子や動物の骨や虫の羽などが含まれている
●一箇所で排泄を行う「ため糞」
アライグマの糞は直径2〜3cm、長さ5〜15cmほどの大きさです。10円玉くらいの大きさで、黒っぽくゴロゴロとしています。目立つような場所で糞をする習性があり、庭やベランダなどで多く糞をします。アライグマの糞の中には植物の種子や動物の骨などが含まれていることがあり、咀嚼せずにそのまま飲み込む習性があるためです。また、アライグマの糞の特徴として一番代表的なのが、一箇所で糞をする「ため糞」と呼ばれる習性です。アライグマは一箇所に排泄をするため、糞が盛り上がっているのが特徴です。
アライグマ以外の糞の特徴
アライグマ以外にも、さまざまな動物の糞の特徴を紹介していきます。他の動物の糞を理解しておくと、アライグマが周囲にいるのか他の害獣なのかを把握しやすいので被害にあいづらいです。
ハクビシン
ハクビシンの糞の大きさは5〜15cmほどで、やや丸くて細長い形をしています。色はこげ茶色のような色です。ハクビシンは雑食ですが、果実や野菜を好んで食べる傾向にあります。そのため、糞からは甘い香りがするのが特徴です。ですが、尿からは強烈なアンモニア臭がするので非常に臭いです。糞からはアンモニア臭のような強烈な匂いはしませんが、尿と合わさると強烈な悪臭となるので気を付けてください。
ハクビシンもため糞の習性があるので、一箇所にまとめて排泄されていることが多いです。
タヌキ
タヌキの糞は2〜3cmほどで楕円形の形をしています。細長い形ではなく、コロコロとした形状です。大きさは10円玉よりも少し大きいくらいのサイズなので、細かくコロコロとした形の糞はタヌキの糞かもしれません。
タヌキは雑食ですが、肉食系の食事を好みます。そのため、糞からは他の動物の骨などが出てくることもあります。咀嚼せずに飲み込む特徴があるので、植物の種などもときどき出てきます。肉食系の食事を好むことから、糞からは強いアンモニア臭がします。
イタチ
イタチの糞は約6mmほどで、細長い形状をしています。水分が多く水っぽい糞をするのが特徴です。イタチは雑食性ですが、肉食寄りの食性をしているので糞からは強いアンモニア臭がします。イタチはカエルや小型の昆虫などを好んで食べるため、肉食よりの食性をしているのです。イタチもアライグマと同じく、ため糞の習性があります。一箇所に水っぽい糞がされていたら、イタチの糞を疑いましょう。
アナグマ
アナグマはタヌキに似ている見た目をしており、土を掘ってエサを探す動物です。土の中に潜んでいるミミズなどを食べるため、アナグマの糞には多くの土が含まれています。また、穴を掘って糞をする習性があるので、穴が掘られていた場合はアナグマの糞を疑いましょう。
アライグマの糞の掃除のコツ
アライグマの糞には多くの菌が含まれています。掃除をする際には、そのような菌に気を付けながら掃除をする必要があります。アライグマの糞を掃除するコツについてご紹介します。
アライグマの糞を掃除する時のコツは以下の3つです。
①素肌を守る
②ほうきとちりとりを使う
③消毒をしっかりとする
①素肌を守る
アライグマの糞を素手で触るのは絶対にしてはいけません。なぜなら、アライグマの糞には大量の菌が含まれているからです。糞から感染する感染症も存在するので注意しましょう。代表的な感染症として「アライグマ回虫症」があります。アライグマ回虫症に感染すると、子供の場合は中枢神経系感染症、大人の場合は視力障害に陥ります。感染症から身を守るためにも、素肌をしっかりと隠した状態で掃除をしましょう。空気中を待った菌が目や鼻からも入り込むことがあるので、マスクやゴーグルなどもしっかりと着用して行うようにしてください。
②ほうきとちりとりを使う
糞はほうきとちりとりを使って掃除してください。掃除機を使って吸い込むと隅々まで綺麗に吸い込むことができますが、感染症の原因となる菌類も吸い込んでしまいます。感染症の原因菌が空気中を大量に舞ってしまうので、衛生的に非常に悪いです。糞を掃除する時は、ほうきとちりとりを使ってなるべく優しくはき取るようにしてください。
③消毒をしっかりとする
掃除が終わったら、消毒をしっかりとすることも大切です。糞を綺麗に掃除しても、繁殖した菌はしっかりと残っています。先ほど紹介した感染症「アライグマ回虫症」の原因である「アライグマ回虫」は、虫卵の状態で数年間生き残ります。糞をきれいに掃除しても、生き残った虫卵に誤って触れて人間の体内にアライグマ回虫が侵入してしまうこともあるので、消毒はしっかりと行いましょう。
まとめ
アライグマの糞の大きさは直径2〜3cm、長さ5〜15cmで、庭やベランダなどの目立つ場所で糞をするのが特徴です。糞には種子や動物の骨、虫の羽などが多く含まれています。食性が肉食寄りの雑食で、咀嚼をせずにすぐに飲み込むため糞に多く含まれるのです。また、一箇所で排泄を行う「ため糞」するのも特徴なので、同じ場所に糞がされていたらアライグマの可能性があります。
アライグマの糞を掃除する時は、感染症に感染する危険があるため素手では絶対に触らないようにしてください。ゴーグルやマスクもしっかりと着用してから行うようにしましょう。また、糞を処分する際はほうきとちりとりを使います。掃除機を使うと菌が舞ってしまうので、注意しましょう。糞を綺麗に処理しても油断は禁物です。消毒をしっかりしておかないと、菌の生き残りがいる可能性もあるので、しっかりと行うようにしましょう。