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ネズミが媒介する病気は恐ろしい!

サルモネラ菌とら旋菌

ネズミに起因する病気には、主にどんなものがあるでご存じでしょうか。

代表的なモノでは、食中毒、ワイル病、鼠咬(そこう)症の他、ペスト、発疹熱、日本住血吸虫病などです。

日本ではとくに夏季に食中毒が多発しますが、これはサルモネラ菌が付着・繁殖した食品を食べることにより、この細菌が腸管に入り、最近そのものが主体となる中毒症状により引き起こされるものです。

俗に食中毒、正式には伝染性食中毒あるいはサルモネラによる食中毒といいます。

食中毒の症状は、サルモネラ菌が腸管に入ってから通常6〜24時間の潜伏期間後、腹痛、発熱(38度~40度)、悪心、嘔吐、下痢といった急性胃腸炎の症状を急激に起こします。

サルモネラによる食中毒の原因となるサルモネラ菌ですが、専門的には腸チフス、パラチフス、食中毒などの病原細菌の総称で、150種以上の種類が報告されています。ともかくこの細菌は、大きさが1.2〜1.8マイクロメートルで、発育の最適温度が37度、最適ペーハー(ph)は7〜8、熱に対する抵抗力はやや強く60度の状態で20分間経過しなければ死滅しません。

こういった特性上、サルモネラ菌は、下水や汚水などで繁殖し、ネズミ自身も保菌していることが多いのです。ネズミや衛生害虫であるゴキブリなどがサルモネラ菌のたくさんいる下水などをうろつきまわってこの菌を体につけ、また、菌をたっぷり含んだ排泄物を出すことなどで、ビルや家の厨房などに菌をばらまきます。さらに、これらの菌で人間用の食品が汚染されることになり、大変なことになります。厄介なのは、汚染されても食品は変色しませんし、臭いや味の変化もなく、乾燥した食品中でも長期間にわたり菌が生きているということです。

ワイル病は正式には黄疸出血性レプトスピラ症といい、ネズミの尿中のら旋菌の一種であるレプトスピラが小川や下水などに入って増殖し、その汚染水に入った人間の皮膚や粘液から感染するものです。感染した場合、1~2週間の潜伏後、高熱、黄疸、筋肉痛を起こし、重傷の場合は意識不明となります。風の症状と紛らわしいことが多いのですが、致死率は10〜20%で、回復後、眼炎となり、視力障害を残すことがあります。治療法としてはクロロマイセチンなどの抗生物質が有効です。

ネズミは日本住血吸虫の保虫者、寄生虫の運び屋です!

日本住血吸虫秒は不治の病といわれる恐ろしい病気です。その症状は肝臓、脾臓の腫大や腸カタル、腹水、発育障害、貧血などを引き起こすもので、発病原因は、長さ2~3ミリメートルの「日本住血吸虫」という寄生虫です。日本住血吸虫は河川など水辺で発育します。生み付けられた卵は水中で幼虫となり泳ぎまわり、やがて、水底に生活する1~2センチメートルの細長い巻貝の1種であるミヤイリガイ(宮入貝)の体内に入り、この体内で成長し、再び水の中を泳ぎまわり、卵を生みます。

ネズミがたまたま、この卵の付着したものを食べると、卵はそのままネズミの消化管の中を通過して

体外にでます。それが水辺であると卵は水中で幼虫となり、ミヤイリガイがいると寄生して成長するということになります。この場合、ミヤイリガイさえいなければこの寄生虫は成育できません。問題なのは、卵を体外に入れたネズミが、人間の近くでその卵を排出し、それを知らずに人間が口の中にいれてしまうことです。

例えば、ネズミによって運ばれた卵が、飲料水で孵化し、この日本住血吸虫の幼虫のいる水を誤って人間が飲むと、人間が最終宿主となり、不治の病になってしまうのです。

現在では、日本住血吸虫の中間宿主であるミヤイリガイがほぼ絶滅し、日本住血吸虫の分布地域は著しく縮小してきています。

しかし、ネズミは、日本住血吸虫の他にも、トキソプラズマ原虫や小形条虫、多包条虫、広東住血線虫、旋毛虫など多くの寄生虫病の保虫者であり、これらの寄生虫を運びます。ネズミが病気の運び屋であるということをよく覚えておくことは大切です。

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