ハクビシンは、屋根裏に侵入して深夜に物音をたてたり、農作物などを食い荒らしたりなどして、私たち人間の生活に害をもたらす害獣として広く知られています。ハクビシンは「白鼻芯」とも書き、その名の通り鼻から眉間の間を通って白い一本の線が走っているのが特徴です。基本的に夜行性で、日中は静かに住処に潜んでいることが多い動物です。雑食で何でも食べますが、果物やイモ類、イネなどを好んで食べるので、農作物への被害例も出ています
今回は、そんなハクビシンの生態や対策のポイント等について紹介していきたいと思います。
【ハクビシンの危険性】
ハクビシンは見た目がイタチやフェレットに似ており、かわいい見た目をしています。顔が特徴的なので簡単に見分けはつくと思いますが、他の害獣同様放っておくと大変なことになってしまいます。
被害例としては、騒音、異臭、生ごみや農作物を食い荒らす、ノミやダニ・病気を媒介するなどがあります。中でも騒音の被害は非常に多いです。屋根裏に住みつかれてしまい、鳴き声や足音が朝まで続くなどの被害も出ています。他にも、ハクビシンによる食害などもあり、農家の方々も頭を抱えています。また、行動範囲も広いので、体にはたくさんのダニやノミ、病原菌を保有しています。そのため、病気を媒介してしまう可能性もあり、非常に危険な害獣でもあります。
【ハクビシンの生態】
ハクビシンの生態について詳しく解説していきます。
①大きさ
体調:90~110cm
体重:約3~4kg
ハクビシンの体長は約1m程で、他の害獣に比べると大きい部類になります。
②生活スタイル
ハクビシンは基本的に夜行性で、日中は住処に潜んでいます。日が沈むと住処から出て餌を探すために出歩き、日が出始める頃に住処に戻ってきます。そのため、人間がゆっくり休み始める頃にハクビシンが活発になるので、夜中に天井から物音がしたりと、騒音も多くなります。
③好きな食べ物
ハクビシンは、果物、イモ類、イネなど様々な物を食べます。中でも果物はハクビシンの好物で、果物農家の被害が多く出ています。他にも、ハクビシンは雑食なので昆虫や他の動物の卵、小動物など何でも食べます。
④運動能力
ハクビシンは木登りが得意で、「樹上生活者」と呼ばれるほど樹の上での生活にも慣れています。また、電線を伝って移動することもでき、バランス感覚は非常に優れています。このように高い所での生活が得意なハクビシンですが、猫の仲間ということもあり、狭い隙間でも頭さえ入ってしまえば入ることができます。
ハクビシンは、高い所や狭いところに入り込むので、人間の手の届かない所へ逃げるのが上手です。そのため駆除が厄介な害獣でもあります。
⑤繁殖時期
ハクビシンの繁殖時期には明確な時期がありません。一年中妊娠することができます。一回の分娩で1〜5匹ほど出産するといわれています。生まれた赤ちゃんは10か月で妊娠ができるようになり、また更に繁殖していきます。このようにハクビシンは非常に繁殖力が強い動物です。
⑥暖かい場所を好む
ハクビシンは暖かい場所を好む習性があります。冬眠をしないハクビシンは、冬場は暖かい所に集まって越冬します。人間が住んでいる家の屋根裏は、冬になると暖房を使い温めるので、越冬に最適な環境になっています。そのため、屋根裏にはハクビシンをはじめとする害獣が多く住みついてしまうのです。
【ハクビシンによる被害】
実際にあったハクビシンによる被害例について紹介します。
①天井裏からの騒音
ハクビシンは、自前の柔軟性を活かしてちょっとした隙間があれば侵入することができます。しかし、体調は90cm〜110cmほどあるため非常に大きいです。そんな大きさの動物が屋根裏に住み着いてしまった場合、物音がしない訳がありません。夜中になるとハクビシンが動き回り、足音でなかなか眠れないなどの事例も出ています。
②糞尿等による異臭
ハクビシンは、決まった所で排泄をする習性があり、一か所に排泄物が固まっていると、腐敗して異臭を放ちます。ハクビシンの排泄物の臭いが家中に充満し、衛生的にも良くありません。
③農作物・生ごみなどを食い荒らす
ハクビシンは雑食なので何でも食べます。特に果物は好物なので、農作物の被害が非常に多いです。他にも、ゴミステーションなどに置いてある生ごみを食い荒らし、散らかす被害も出ています。
④ノミやダニによる被害
ハクビシンの行動範囲は非常に広く、30〜70haといわれています。東京ディズニーランドは大体50haですので、それよりも広い範囲を行動している個体もいるのです。
また、メスよりもオスの方が広い範囲を行動するので、ノミやダニも多く付着している可能性が高いです。一度屋根裏にハクビシンが住みついてしまった場合、ノミやダニをいくら駆除しても発生源であるハクビシンを駆除しない限り、ノミやダニは減りません。ですので、異常を感じたら早めに業者へ相談しましょう。
【対策のコツ】
では、ハクビシンによる被害を抑えるための対策には、どのようなものがあるのでしょうか。以下に具体的なポイントについてまとめておきます。
①進入路を塞ぐ
こちらは他の害獣にも通用する王道の手法ではありますが、一番はハクビシンを侵入させないことが非常に大切です。一旦住処にされてしまうと、しばらく居座り続けてしまいます。まずは根本的に侵入させない対策をしっかりと施しましょう。
②餌になるものを置かない
好物の果物がたくさんあると、ハクビシンはそこに何度も訪れる可能性があります。ましてや、その隣に住処になるような快適な屋根裏があれば、ハクビシンにとって住みやすい環境になってしまいます。特に生ごみや果物は、ハクビシンにとって貴重な餌になってしまうので、なるべく手の届きにくいように工夫しておきましょう。
③周辺の木々を手入れする
バランス感覚に優れ、木登りも得意なハクビシンですが、周辺の木々を伝って屋根裏などに侵入する可能性もあります。ですので、周辺の木々の手入れをすることは、侵入ルートを断つことにもつながります。
④嫌いな臭いで遠ざける
ハクビシンはニンニクや唐辛子や石油系の臭いを嫌います。侵入するであろう箇所にそれらのものを置いておくだけでも、侵入を未然に防ぐことができます。
【まとめ】
ハクビシンは繁殖能力が強く、放っておくとどんどん繁殖していってしまいます。それと比例して被害も拡大していくので、早めの対処を行う必要があります。進入路を塞いだり、餌になりそうなものを隠したり、周辺の木々を手入れするなど、自分で行える対策はいくつかありますが、一番は業者に相談することが良いと思います。安心して確実に駆除してもらえるので、異常を感じたら業者に早めに相談してみてください。