ハクビシンは、種子や昆虫や植物などさまざまなものを食べる雑食性です。中でも果物などの甘い物が大好きです。ハクビシンによる農作物の食害は非常に深刻で、スイカやメロンといった果物を中心に被害が多く出ています。また、柔らかい体を活かし狭い場所でも隙間があれば侵入することができます。住居や建物へ侵入すると、糞害や感染症を媒介する原因にもなります。
今回は、ハクビシンの食害や侵入対策についてご紹介していきます。
ハクビシンは何を食べるの?
ハクビシンは雑食性なので、基本的には何でも食べます。ですが、好き嫌いが激しく一口かじって気に入らなければ捨ててしまうほど、食に関してはわがままです。野生のハクビシンは小型の昆虫、カエル、魚、種子、果物などを食べています。中でも果物が大好きで、農作物を食い荒らされる被害が問題となっています。また、人間の生活から出た残飯も食べるので、人家の周りでは注意が必要です。
ハクビシンが好きな食べ物
雑食性のハクビシンですが、特に好きな食べ物はどんなものがあるのでしょうか。ハクビシンが特に好きな食べ物についてご紹介していきます。
ブドウ
ハクビシンはブドウを食べる際、中の実だけ食べて外の皮は吐き出します。人間と同じように綺麗に食べるので、ハクビシンによる被害だとすぐに分かるほどです。房は残して実だけ食べるので、放っておくと大きな被害になってしまいます。
みかん
ハクビシンは、木登りがとても得意です。みかんは木の上に実っているので、外敵も少なくゆっくりと食事をすることができます。そのため、みかんを好んで食べる個体は非常に多くいます。
バナナ
バナナもたくさん生い茂っていると、ハクビシンから狙われる可能性があるので危険です。バナナは通常まだ青い状態で収穫し、一旦寝かせて追熟をした状態が食べ頃です。ハクビシンも追熟した状態のバナナを好むので、いつまでも収穫せずに黄色く生い茂ったままだとハクビシンのエサとなってしまう可能性が高くなります。イチジク
イチジクもハクビシンにとっては大好物の果物のひとつです。イチジクは熟すととっても甘みがあり香りも強いので、ハクビシンが好みます。イチジクが発する独特の香りはハクビシンの臭覚を刺激するため、寄り付きやすいのです。
イチゴ
イチゴは、香りが強く歯ごたえがとても良い果物です。熟したイチゴは一層甘い香りも強まるため、ハクビシンにとってはたまらない好物になります。一粒かじって味や食感が気に入らなければ、次のイチゴをかじるので被害が大きくなりやすいのも特徴です。
実際にあった食害事例
ハクビシンによる農作物への被害は、いたるところで発生しています。実際にどのような被害事例があったのかご紹介します。
ブドウ園での被害事例
長野県のブドウ農園ではハクビシンによってブドウが食害され、農園のブドウの4割ほどが食べられてしまう被害に遭いました。ブドウの中身だけ食べられており、外の皮は吐き出されていたそうです。食べ方が綺麗だったという特徴から、ハクビシンの仕業だと推測した農園の管理者は監視カメラを設置して様子を見ることにしたそうです。すると、深夜に数匹のハクビシンが農園のブドウを食い荒らしていいました。
スイカ農家の被害事例
茨城県のスイカ農家もハクビシンによる被害に悩まされていました。その農園ではスイカをメインで生産しており、畑の周りをネットで囲うなどして害獣防除を徹底している農園です。収穫時期になると、園主が何者かにスイカを食べられているのを発見し、監視カメラを設置。すると、ハクビシンがスイカを食べる姿が目撃され、害獣による食害と判明しました。
イチゴ農家の被害事例
栃木県のイチゴ農園では、施設園芸といって建物の中でイチゴを栽培する方法でイチゴを生産していました。ある日、イチゴが誰かに食べられているのを発見しましたが、イチゴ狩りも行っている農園だったため、「誰かが取らずに食べたんだろう」と放置していました。しかし、その後も被害は拡大し、半分以上もイチゴが食べられてしまったそうです。夜中の状況を把握したいと思った園主は、監視カメラを設置しました。すると、建物の隙間からハクビシンが侵入してイチゴを食い荒らしていたのでした。
ハクビシンの侵入対策
ハクビシンは、柔軟な体を活かして狭い所でもスルリと侵入することができます。どうすれば侵入を防ぐことができるのでしょうか。
隙間をなくす
徹底的に建物の隙間をなくしましょう。ハクビシンは、ちょっとの隙間があれば簡単に侵入することができます。建物や畑などの外と中のありとあらゆる隙間を塞ぐだけでも、かなり効果的な対策になります。隙間があるから侵入されるので、まずは隙間を埋めてください。
近くにエサとなる物を置かない
ハクビシンは嗅覚が非常に発達しています。甘い匂いを嗅ぎつけると、すぐにやってくるので気を付けなければなりません。ハクビシンは特に甘い物が好物で、甘い香りがする果物や野菜は遠ざけておきましょう。
周りの木々の手入れをする
ハクビシンは木登りがとても得意です。周りの木々が生い茂っていると、ハクビシンが枝をつたって侵入します。周囲の木々はこまめに剪定し、ハクビシンの侵入を防ぎましょう。
まとめ
ハクビシンは甘いものが大好きです。果物は大好物なので、ブドウやイチジクやみかんなどの香りが強いものは特に注意しましょう。また、ハクビシンは狭い隙間でも侵入することができます。ありとあらゆる方法で狭い隙間から侵入します。対策として、「隙間を塞ぐ」「周囲にエサとなる物を置かない」「周囲の木々はこまめに手入れする」といった3つの対策を心がけましょう。
ハクビシンによる被害は現在も多く出ており、多くの方が悩んでいます。ハクビシンの生態を理解し、効果的に対策を行いましょう。